平成27年12月小山市議会定例会、一般質問を公開しました。
平成27年12月小山市議会定例会
平成27年12月小山市議会定例会 一般質問内容
●議席番号3番、おやま創生会の土方美代でございます。ただいま議長の許可を得ましたので、通告に基づき、会派を代表しまして、市政に対する一般質問をさせていただきます。
まず初めに、11月22日にご逝去されました野村広元議員に対し、深い哀悼の意を表しますとともに、ご遺族、ご親族の皆さまに謹んでお悔やみ申し上げます。
また、さきの関東・東北豪雨におきまして被災された方々に対し、心からお見舞い申し上げます。重ねて、一日も早くもとの生活に戻れますようご祈念申し上げます。
それでは質問に移ります。
1、小山市いじめ防止基本方針について
いじめ防止対策推進法に基づき、小山市におきましても、ことし5月、いじめ防止基本方針が策定されました。その内容からは、いじめを絶対に許さないという強い決意が感じられ、組織編制やいじめの防止、発見、対処等、大人の立場から大人の責任として対処すべき事柄が列挙されていました。また、教育の側からも道徳教育の充実が図られ、環境と体制は整いつつありますが、学校生活の中で、主役は子供たちです。いじめ問題を考えたときに、当事者は子供たち自身です。大人は環境と体制しか整えられません。どんなに道徳の教科書を読ませても、子供たちの紛争解決能力なしには問題解決は図られないのです。この実際に問題が起こってしまったとき、それを解決する手段、手法として最近注目を集めているのが「ピア・メディエーション」というプログラムです。
ピア・メディエーションとは「子ども同士による調停」を意味し、子供同士のトラブル、問題に対し、親や教師が仲裁に入ることなく、和解案を提示するのでもなく、話し合いにより、子供同士で解決を図ろうとするプログラムです。実際の教育では、「お友達を叩いてしまった事件」とか「仲間外れをしてしまった事件」などとお題を決め、ロールプレイを中心に子供たちに模擬調停を開かせ、子供同士で、どうすればケンカをしないで済んだのか、これから仲直りするためにはどうすればいいのかを考えさせ、納得がいくまで話し合うトレーニングです。このピア・メディエーションは、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど積極的に学校教育に導入されています。日本においても、大津市の事件を受けて、導入しているところが多くあります。
また、最近の傾向として、いじめの原因の一つにコミュニケーション能力の低下が挙げられています。メール、ライン、フェースブックと、みんな携帯片手にピコピコピコピコ。電車の中でも食事中でも、お友達が目の前にいてもやっています。それでは、活字が伝える情報量のみで、「言葉の真意」や「相手の想い」が汲み取れません。生きていくうえで、一番大切なのはコミュニケーション能力です。それらをトレーニングするアサーティブ・コミュニケーションというプログラムも話題になっております。いじめに対する罰則規定や学校現場への警察の介入などの動きもありますが、まずは子供が本来持っている人間力を育て、いじめが起きにくく、深刻化しにくい学校づくりに努めるべきと思います。
質問です。このような新しいプログラム、子供たちのために良いと思われるものは、どんどん導入すべきと考えますが、小山市としてのお考えをお聞かせください。
◎大久保寿夫市長 皆さん、おはようございます。ただいまのご質問にお答え申し上げます。
いじめの未然防止につきましては、各校が策定いたしました、いじめ防止基本方針並びにいじめ防止対策アクションプランに基づき取り組んでおります。具体的には、道徳教育や特別活動などを通じ、いじめをしない、許さない、温かな集団づくりに努めております。道徳教育では、道徳の時間を核として学校の教育活動全体を通じて、思いやりの心や命の大切さなどを体験活動等に基づきながら学んでおります。平成30年度から全面実施となります特別の教科、道徳では、考える、議論する道徳の授業の導入も求められており、本市におきましてもそうした手法を道徳教育拠点校等の実践等を通じ、広めてまいります。
また、特別活動では、平成24年度より文部科学省教科調査官の杉田洋先生をお招きし、旭小学校での学級活動の公開授業等を通じ、日常生活の中での諸問題の解決の仕方として、みんなもよくて自分もよい方法はないかと折り合いをつけながら、集団決定するスキルを学ばせる授業を積み重ね、市内全小中学校への普及を図っております。
また、本市では、平成24年度より、楽しい学校生活を送るためのアンケート、通称「QU検査」を全校実施し、その結果に基づき、個人や集団の状態に応じた支援、指導を行っております。その際に、対人関係を円滑にするため、ソーシャルスキルトレーニングを校内研修に位置づけ、どうすれば自分の気持ちをうまく伝えられるかなどのスキルを児童生徒が身につけられるよう実践している学校もあります。
議員ご提案のピア・メディエーションは、いじめの未然防止を図る上においても一定の効果があると言われており、本市が取り組んでいる道徳教育や特別活動等の方向性とも合致するものであります。教育委員会といたしましても、いじめの未然防止のための一つの方法として、今後ピア・メディエーションについて調査研究を行い、その効果等について各学校に紹介してまいります。
以上、よろしくお願いします。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。より多くの教育の場にご紹介いただければ幸いです。
また、いじめ問題への他の自治体の動向を見ますと、法教育授業を導入、実施しているところが多く見受けられます。埼玉、岩手、宮城など先進地にお話を聞くと、小学生のころから社会秩序の根幹をなす「法」の大切さを学び、いじめは人権問題だと認識させることの大切さなど、子供たちにとってもさまざまな効果があらわれていると伺っております。小山市としても、今後、導入に向けて検討されてはいかがでしょうか、お尋ねします。
◎酒井一行教育長 ただいまの再質問にお答え申し上げます。
議員ご提案の法教育でございますけれども、発達段階に応じまして丁寧に小学校の低学年の段階から適切な指導をしていくことが有意義と考えております。先ほど市長のほうから答弁ございましたように、先進地に学びながら、今後小山市においてどのようにあればよいかということについて検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。現代の教育現場、子供の貧困問題等、さまざまな課題が山積しておりますが、物理的な問題は一つずつ解決していくしかありません。目に見えない心の教育は、「人としてどうあるべきか」この人としてを問う、人の根幹にかかわる教育です。是非とも、子供たちにとってより良い環境の整備をお願いいたします。
それでは次の質問に移ります。
2、小山市児童虐待・DV対策基本計画について
まず初めに、DV相談の現場の実情を知っていただきたいのですが、DVや離婚の相談を受けたときにはまず、「離婚の相談ですか」「今、ご主人の暴力とか命の危険を感じませんか」と尋ねます。もしイエスなら、すぐに女性センターと連携して、シェルターに保護していただく手続きをし、その間に、警察への被害届、接近禁止命令の発動、住民票のブロック、保険証の再発行、その後のどこに住むのか、仕事はどうするのか、職業訓練や生活保護等の手続きをとります。まずは命を守ることが先決です。手続きはマニュアルをつくれば誰でも対処できますが、一番難しいのが相談業務です。DV被害者は、長年の生活の中で洗脳されていることがほとんどです。「自分が悪いから殴られる」「自分が至らないから罵倒される」「あの人は悪くない、自分が全て悪い」のだと。これがDVの怖いところです。DVを受けている人に限って、これはDVではない!と言い切ります。相手をかばいます。そして、このような心理状態は、暴力に限らず、精神的、経済的な制裁によっても引き起こされます。毎日毎日人格を否定され、存在を否定され、あわせて生活費も入れてもらえず、着の身着のまま追い出される。途方に暮れ、やむなく自殺を選ぶ方もいらっしゃいます。
ここで問題が一つ。現実に暴力を受けている人は、県のパルティや警察で一時保護していただけますが、言葉の暴力やお金を渡さないという経済的暴力では、例え裸一貫で追い出されても、保護してくれる場所がありません。泊まる場所も、食べ物を買うお金もなく、頼れる身内も居ない人はどうすればいいのでしょうか。やっとの思いで暴対センターや役所に相談に行き、今後の生活の安定を図るために生活保護の手続きをとる。障害年金の支給手続きをとる。どちらにしても申し立てから決定の通知が来るまでのタイムラグ、処理期間ですね、これが大体1ヶ月から3ヶ月間、この間はどこでどうやって生きていけばいいのでしょうか。小山市DV対策基本計画の目的は、未然防止から自立までの切れ目のない支援をうたっていますが、このような制度と制度のはざまに落ちてしまった人を救済するセーフティーネットが張られて初めて切れ目のない支援だと思うのですが、小山市はどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。
◎栗原千早保健福祉部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
DV被害を受けられた方の新たな生活が安定するまでの支援につきましては、県の保護施設や警察、生活保護担当課と連携を図りながら対応しております。特にDV被害者が身の危険を感じている場合は、速やかな安全確保が必要なため、県男女共同参画センターに依頼し、その決定により県の一時保護所や民間が運営するシェルターに入所しております。しかし、入所要件に合わず、シェルターに入れない場合、他の制度を利用する場合は、手続に一定の期間を要することがございます。その場合、社会福祉協議会と連携し、生活一時資金の貸し付けやフードバンクの利用等を行っております。また、一時保護が決定されるまでの数日、所持金を持たないDV被害者が、市が協定を結んでいる宿泊施設を利用できる小山市虐待被害者等緊急時安全確保事業を実施しています。今後制度利用までの支援として、加害者からの追跡がない場合においては、利用日数の延長等ができるよう検討してまいります。市が運営するシェルターの設置につきましては、被害者の安全、安心が確保できるように慎重に進めることが必要だと考えますので、民間委託等、先進地の情報を収集いたしまして、研究をしてまいりたいと考えております。
以上、よろしくお願いいたします。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。各種申請手続きから決定の間、生活一時金、2万円だと思うのですが、の貸し付けやフードバンクの利用、旅館組合との協定では一時保護、こちら1日から2日程度の制度があるとのことですが、申請中の処理期間は3ヶ月間、全然補えていない現状です。また、各制度には申請要件というものがあります。連携している既存の団体にも利用要件があります。それらの要件に見合わなかったもの、ひっかからなかった人の最後の頼みとなるのが行政であるべきと考えます。このような問題点を改善するためにも「要件の緩和、ある程度現場の窓口に裁量権を与えること、これらをあわせて自前のシェルターを創設すべきと思いますが、どのようにお考えでしょうか?
◎栗原千早保健福祉部長 ただいまの再質問にお答え申し上げます。
DVの実態はさまざまでございまして、現行制度では対応の難しい事例もございますが、制度の要件に合わず、支援が途切れてしまうということが起こらないよう、切れ目のない支援が必要と考えております。県の一時保護所の要件に合わない方のために、市町村がシェルターを設置する例は非常に少ないのですが、他県の例では、市が民間に委託し、設置したものの、さまざまな事情から利用条件が県の施設の利用条件よりも厳しくなってしまったということも伺っております。非常に難しい問題だというふうに考えております。小山市では、DVの撲滅を目指しまして、DV対策基本計画を策定し、配偶者暴力相談支援センターを設置するなど、DVの未然防止から自立までの切れ目のない総合的な支援を目指しておりまして、引き続き先進事例などを参考に、制度の要件緩和、どのようなはざまの支援ができるのか、調査研究をしてまいりたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
●3番(土方美代議員) 大変難しい問題だということは十分承知しました。ただ、人生がやり直せるのは、生きているからこそやり直しがきくのであって、亡くなってしまっては命のやり直しはできません。どうか現場に合った制度の構築を強く要望いたします。
それでは次の質問に移ります。
3、クレーム・苦情処理について
住民ニーズの多様化が進む中、地域で生じる利害関係者間の紛争もふくそう化しています。こうした紛争を従来同様に地方自治体が仲介、調整あるいは訴訟で対応するだけでは、地方自治体の負担は大きく、対立の深刻化などから、地域の安定性を維持することにも困難性が伴います。そこで、裁判外で解決するADRを導入するところが増え、「新たな公共」の一つと位置づけられています。ADRというと専門用語の様で難しく聞こえますが、日本語にすると、裁判外紛争解決機関、もっと簡単にイメージしやすく言うと、デパートなどの各種民間企業では、クレームとか苦情対策室を設けて、裁判にならないように納得がいくまで話し合いましょう!という部署が設けられています。これら行政の中にもつくってはいかがですか、というお話です。よく窓口で、市民の方々が声を張り上げられている姿を目にします。しかし、個々の案件を個々の部署が受け対応するには限界があります。通常業務にも支障をきたします。また、十分な説明が受けられず、納得できないままお帰りになられる方もいらっしゃいます。これでは、行政に対する不信感が募り、市民とともに築くまちづくりは実現できません。また現実問題、裁判は、時間とお金がかかります。これは、双方にとっても不利益でしかありません。
質問です。現在、クレームの総合窓口はありません。1つの問題をとっても複数の部署がかかわります。市民の不満や苦情の窓口を一本化し、たらい回しに遭うことのないよう、しっかりと受け止める専門部署の創設が必要不可欠と思われますが、小山市としてのお考えをお伺いいたします。
◎森谷昌敏総務部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
小山市では、職員研修所が、職員の窓口での接遇やクレーム対応の向上のために新人職員のマナー研修、それと採用年数ごとの各種接遇研修、管理監督者のCSリーダー研修などを実施するとともに、2年に1回、市職員接遇応対に関する市民アンケートを実施いたしまして、窓口、電話応対の評価を確認しております。直近の平成25年度のアンケート結果では、「年々よくなっている」という評価をいただいております。また、市長へのメールなどでもクレーム、苦情、意見、要望をいただきまして、受けた各課が早急な対応をしております。あわせまして、生活安心課では、行政相談員が行政への苦情や意見、要望を受け、その解決や実現を図る行政相談窓口を毎月2回開設しております。平成26年度は、36件の相談件数がありました。このような対応をしておりますが、今後、議員がおっしゃいましたご提案のクレーム・苦情処理の専門部署創設につきまして、他市での先行事例を調査研究してまいります。
以上、よろしくお願いいたします。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。専用窓口の設置、ADRの導入の必要性ですが、苦情の大半は、行政の決定や対応に納得ができないからです。例えば、市民から「うちの山にゴミが捨てられている!不法投棄だから何とかして欲しい」と相談すると、「それは地権者さんで処分してください。」と回答。私もルールはわかっていますが、これでは市民は納得できません。なんで処分できないのか、これから先、不法投棄を減らすためには何ができるのか、丁寧な説明と今後の対策など、納得がいくまで話し合う。信頼関係の構築とは、話し合いの延長線上に築かれていくのです。これらをしゃくし定規に「規則ですから」と門前払いしては、余計怒りが増し、行政に対する不信感が募ります。法治国家である以上、規則は大切です。十分理解しております。ですが、人は物理的な問題解決が図られても、心がおざなりにされては、納得できません。ADR導入の一番の目的は、一方的な説明を受けるだけでなく、市民側も、何が・どのように納得できないのかを、しっかり行政に伝える。これらの相談や苦情は、今後のより良い市政運営に当たって大切なヒント、財産にもなります。
そこで再質問します。ただいまご答弁にありましたように、他市の先行事例を研究調査して、設置について検討していただけるとのことですが、おおむねどれくらいの期間を想定しているのでしょうか、お尋ねいたします。
◎森谷昌敏総務部長 ただいまの再質問にお答えを申し上げます。
検討の期間でございますが、先ほど申しましたように、先行事例の調査研究をするとともに、市役所の各窓口におけるクレームとか苦情処理の状況などを把握いたしまして、おおむね1年程度ということで検討してまいりたいと考えております。
以上、よろしくお願いいたします。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。ぜひとも総務省の提唱している対話促進方調停を参考にしていただきたく、今後の対応を期待しております。
それでは次の質問に移ります。
4、小山市地域防災計画について
私たちは、防災に関してどのように準備しているのでしょうか。
防災マニュアルをつくる。防災グッズを用意する。避難訓練をする。指揮系統を整え、連絡網を確認する。
これらのことに対し、宮城県の被災者の方々にお話を聞いたところ、
「どれも素晴らしいことですが、すべて自分たちが無事であることが前提につくられていますね。もし指揮系統のトップ(市長)や、ここにいる皆さんの半分が被災者だったら、そのマニュアルは機能しますか。連絡網をつくっても電話がつながらない。防災グッズを買っていても押し入れや物置にしまっていて、崩れて取り出せない。避難場所が消失したり、壊滅的被害が出ていたとき、第2、第3の候補地は。震災とは、絶えず想定外のことだらけです。だから平時の時につくったマニュアルは半分しか役に立ちません。」
正直、何も言葉がありませんでした。
確かに、自分たちが無事で、連絡が取れることが前提で、避難場所まで道路がつながっていると信じて疑わずにマニュアルを読んでいるからです。
重ねてこうも言われました。
「どんなに素晴らしい防災マニュアルをつくっても、あなたはすべてを読み、頭に入っていますか?何百ページにもおよぶ分厚い規定書をつくっても、書庫に眠らせていては意味がないのです。震災が起こってからそれらを読むことは不可能だからです。一番大切なのは、平時の時から仲間やご近所と、ちゃんとコミュニケーションをとって生活してきたかどうか。震災が起こったから絆が生れるのではなく、震災前から信頼関係が構築されていたから問題に対処し、乗り超えられるのです。」と。
言葉が重く、心に突き刺さりました。
さて、我が小山市ですが、完璧に近い、ありとあらゆることが網羅された小山市地域防災計画があります。何と656ページ!広辞苑なみの厚さの規定集なのです。持ち運ぶのも容易でない。正直見ただけで満足してしまって、全部読むのは骨が折れました。先ほどお話したとおり、つくっただけで読んでくれなければ意味がないと思うのです。
質問です。せめて、家庭ごみ収集カレンダーぐらいの紙ぺら1枚の簡単な、玄関のドアや冷蔵庫に貼れる程度の簡易防災マニュアルはつくれないのか、ご質問します。
◎小谷野祐司危機管理監 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
自宅が被災し、暮らせなくなった場合に備えて、家庭における避難の決め事を確認し合うことは大変重要なことでございます。小山市では、家庭における防災プランとして、壁や冷蔵庫に貼付できる大きさの小山市家族防災プランの作成を計画しております。内容としましては、家族が日中過ごす場所である学校や仕事場の連絡先、避難するときの近くの避難所、長期避難になるときの親戚や友人宅の連絡先、地震などで火災が発生したとき、自宅にはどんな危険があるのかなど、家族で話し合った決め事を防災プランのシートに記入し、日ごろから目につく場所に貼付して活用していただくことを考えております。
以上、よろしくお願いいたします。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。作成していただけるということで、感謝しております。今回の災害を通して気づいたことは、子供だけに限らず、大人でも有事のときはパニックになるということ。どんなに冷静を装っても、当たり前に覚えている110番と119番すら間違うときがあります。だからこそ防災マニュアルは、子供が読んでもわかるくらいわかりやすく、大きな字で、一目でぱっと入ってくるようなものでなくてはなりません。防災計画を見ますと、避難場所は○○公園とか市道何号線沿いとか書かれていますが、正直、市道何号線と言われても分かりません。公園も公園名を書かれていてもわからないときがあります。ですが、家族の中で家族にしかわからない呼び方、通称名があるはずなのです。モグラ山とか、お化け沼とか。今回提案した紙ぺら1枚の防災マニュアルは、人に分からなくても家族だけがわかるものならいいのです。穴埋め式で、空欄を埋めれば、それぞれオリジナルの防災マニュアルになるように、家族で日ごろから話し合い、もし連絡が取れなかったときの第一待ち合わせ場所はどこにするのかとか、避難する時に必ず持っていかなくてはいけないもの、例えば持病のお薬ですとか、入れ歯ですとか、眼鏡ですとか。最低限の、でも絶対必要なもの、かわりがきかないものですね、それだけ書き込めるようなもので構わないと思っています。ぜひとも、わかりやすい、どこにでも貼れる程度の防災マニュアルにしていただけたら幸いです。宜しくお願いいたします。
それでは次の質問に移ります。
5、特別支援教育における現状と課題について
特別支援学級とは、比較的軽度な障がいを持ったお子さんが、ほかの生徒さんと一緒に学びながら成長するための制度です。平成26年5月の調査では、全国で在籍児童生徒数18万7,000人。内訳として知的障がい者、約9万5,000人。自閉症・情緒障がい約8万1,500人。肢体不自由・病弱・弱視・難聴言語障がい1万500人と、毎年約1万人越えずつ増加傾向が見られます。それに伴い、特別支援学級数も5万2,000学級と、前年に比べ5%増え、単純平均在籍者数は3.6人となります。また、通級による指導を受けている児童数も8万3,750人と毎年5~6千人ずつ増加傾向にあります。特にADHDやアスペルガー症候群などの児童生徒が目立つ傾向となっておりますADHDは、別名注意欠陥多動性障がいとも呼ばれ、特徴として、集中力がない、気が散りやすい、じっとしていられない、落ち着きがない、順番を待てない、考える前に実行してしまうなど、感情や行動を自分自身で上手にコントロールすることが困難な障がいです。一方、アスペルガー症候群とは、知的障がいを伴わない自閉症のことであり、特徴として、相手の感情や雰囲気を察することが難しく、人や社会とのコミュニケーションに支障をきたしやすい障がいと言われています。このように、年々増加傾向にある障がい児に対し、一緒に学ぶ場をつくっただけで、それに伴う人員の拡充まで至っておりません。現場の教員も、授業の進行を健常児に合わせるべきか障がい児に合わせるべきかで悩んでおります。一人一人の個性を認め、尊重するとは、どちらの権利も守られねばなりません。
そこで質問です。
●特別支援学校教諭免許状保有者数についてお尋ねします。あわせて、常勤の担任数について5年以上の経験者の数をお聞きしたかったのですが、障がいの認定をとっている子もいれば、いない子もいるというので、一言で数字にあらわすことは難しいと思いますので、せめて小中学校の学級数と特別支援教育サポーターの配置状況と、県からの小中学校非常勤講師配置事業の特別支援枠数についてお尋ねいたします。
◎酒井一行教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
特別支援教育の充実につきましては、小山市学校教育の重点施策の一つに掲げ、一人一人の状況に応じた指導、支援に努めているところでございます。現在市内において、特別支援学校教諭等免許状を保有している教員は46名でございます。また、小中学校の学級数は、通常学級が469学級、特別支援学級が78学級の合計547学級でございます。今年度、県の小中学校非常勤講師配置事業の特別支援枠としまして、本市には8名の非常勤講師が配置されるとともに、小山市といたしましても、特別支援教育サポーター39名を配置しているところでございます。現在通常学級にも個別の支援を必要とする児童生徒が各学級に在籍しておりますが、担任が中心となって対応している現状でございます。一方、特別支援学級に在籍する児童につきましては、年々障がいの重度化、重複化、衝動性、多動性の傾向が強まっており、個別の対応がますます必要となってきているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、教育委員会としましては、特別支援教育サポーターの増員を検討するとともに、引き続き県教育委員会に対しまして、非常勤講師のさらなる追加配置と特別支援学級の1学級当たりの学級編制基準8名から6名ということでお願いしているわけでございますけれども、これらについても強く要望をしてまいりたいと考えております。今後も特別支援学級はもちろん、通常学級に在籍をする児童生徒への適切な支援や交流学習の推進に努めてまいります。
以上、よろしくお願いいたします。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。小山市内の小中学校の学級数が469学級。特別支援学級も78学級。なのに、免許を持っている先生は46人、また、特別支援サポーターも39名しかいない。単純に計算して、全然足りていませんよね。特別支援学級が78学級なら最低でも免許を持った先生は78人は欲しいですし、通常学級にも、通級という形で通っている児童がいる以上、全校1学年に1人ぐらいはサポーターを配置するべきではないでしょうか。これはしっかりと予算を取ってでも、サポーターの増員が急務と思われますがいかがでしょうか。
また、小中学校への専門性の高い教員の配置人員の増員等、県へも要望もしていると伺っておりますが、小中学校数38校に対し、県の小中学校非常勤講師配置事業の特別支援枠は、今年8名とのこと。これでは全然対応が間に合わないと思われます。今後の見通しについてお尋ねします。また、一人一人のニーズに応じた教育の充実を確保するためには、人員補強と同時に、通級に対する健常者児童の保護者への理解も深めていかなくてはなりません。学校案内や説明会等、個別案件ではなく、全体に説明するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎酒井一行教育長 ただいまの再質問にお答え申し上げます。
まず、現在の特別支援教育に係る非常勤講師の配置人数でございますけれども、各学校から要望が出されるものに対しまして、必ずしも十分に充足しているという状態ではございませんので、不足しているというふうな認識を持っております。つきましては、今後増員に向けて前向きに検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
また、2点目の県への要望でございますけれども、来年度の配置につきましては、まだ県のほうでも予算計上の段階でございますので、まだ見通しは立ってございません。ただ、今後のスケジュールでございますけれども、市長ともども県の教育委員会に対しまして、非常勤講師の増員あるいはご指摘のございました免許状を有する教員であるとか、あるいは専門性の高い教員の配置につきまして、小山市への増員について要望をしてまいります。
また、あわせまして、県の採用段階、新採教員の採用段階でございますけれども、この段階から免許状を有する教員の増員であるとか、あるいは研修、大学院に行ったり大学に行ったり、さらには特別支援学校のほうに派遣をして、研修できる人員増についても要望してまいりたいと考えております。
3つ目の特別支援学級の児童生徒の通常学級への通級につきましては、通常学級の児童生徒に対してはもちろんでございますけれども、保護者の皆様に対しましても、PTAで組織をしております手をつなぐ親の会、これは特別支援の必要のあるお子さんたちを中心にして、保護者の皆様で手を組んで指導していただきたい、応援をしていただきたいという会でございますけれども、PTA総会などと同時に開催される場合がございますので、このような機会あるいは学年として懇談会などが催される機会、このような機会に周知をするとともに、学校だより等を通しまして、一般の保護者の皆様にも、これまで以上にご理解をいただけますよう周知徹底をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。
●3番(土方美代議員) ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします。いろいろな環境づくりの第一歩は、適正な人材の配置とそれに伴う予算です。必要な場所に、必要な分だけしっかり予算をとり、特別支援サポーターの増員等、強く要望いたします。
以上をもって、質問を終わります。ありがとうございました。