平成30年12月小山市議会定例会、一般質問を公開しました。

平成30年12月小山市議会定例会 一般質問内容

●議席番号3番、おやま創生会の土方美代でございます。只今議長の許可をいただきましたので、通告に基づき市政一般個人質問いたします。

Ⅰ.(1)小山市地域医療推進基本計画について

1.在宅医療・在宅介護について

このテーマは、過日、石川議員からも質問がありましたが、私なりの視点で質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

地域医療は限りある資源です。全ての市民が将来にわたって安心して必要な医療を受けることができるようにするためには、市民一人一人の努力と協力が必要です。健診を受けたり、スポーツをしたり、常日ごろからの健康づくりや1次、2次、3次医療機関の役割を理解し、かかりつけ医を持つなど受診の仕方を考える。お薬手帳を活用し、薬の重複など無駄なお薬をなくす。このように市民一人一人の小さな気遣いが、地域医療という大きな利益を守ることにつながっていきます。
小山市では、地域全体で限りある資源を守り支え合う意識を構築するため、平成26年9月に県内初となる小山市の地域医療を守り育てる条例が制定されました。地域医療とは何か。新小山市民病院のドクターを初め医療従事者の方々、介護職、行政、市民が一緒になって考える地域医療を考える市民会議など、その活動は年々成熟し、全国的にも広く認知されるようになってまいりました。
しかし、その一方で、全ての市民に意識が共有されているのかというと、まだまだで、地域医療を守る上で一番大切なかかりつけ医を持っていますかという問いに、市民にランダムでアンケートをとると、かかりつけ医の定義がわからない。1次、2次、3次医療機関の役割を知らない。病院の選別方法は、風邪ぐらいなら町医者、ちょっと悪そうなら市民病院、不安で不安で仕方がない場合は大学病院。病院は大きければ大きいほど設備が整っていて、安心だと思っている方々が大勢いらっしゃいました。
また、健診について伺うと、健診は会社在職中のみ、退職後は受けていない。個人事業主など国保の方々は、年齢が若ければ若いほど、ぐあいも悪くないのに店のシャッターを閉めてまで健診には行けない。生活かかっているのに病院に行く時間がもったいないなどなど、生活と健康をてんびんにかけている方もまだまだいらっしゃいます。そのような方々にも、少しでも自身の健康管理が地域医療を守ることにつながるのだと根気よく周知していくことが、私たちの使命であると感じております。
そんな中、2014年6月、医療介護総合確保推進法が可決され、法定事項として、市町村が主体となって在宅医療・介護連携の推進事業を実施しなければならなくなりました。このような推進事業のコンセプトにあるのは、在宅で最期を迎え、患者、高齢者の病院、施設志向を是正させていくことです。しかし、そのためにはサービス基盤を整備することが不可欠であります。小山市では人口10万人当たりの在宅医療支援診療所数が5.5、訪問看護ステーション数も3.6と、全国平均より少ない状況です。また、訪問看護師などのマンパワーも不足しております。24時間体制での医療資源が確保されなければ、これらの事業は空想に終わってしまいます。また、在宅医療、在宅介護の難しさには、これら事業所不足などハード面のみではなく、今の日本からみとりの文化が遠のいてしまった結果でもあります。
先日、医師会が主催するシンポジウムに参加させていただきましたが、その中のお話で、みとりの難しさの一因は死生観を養う場が生活の中にないこと。昔は、どの村にも、村の中心には寺があった。寺子屋や駆け込み寺という言葉があったように、学校も集会所も公民館も葬式も、子供から年寄りまで、みんなが集まり、自然と死生観というものが養われた。生まれる、生きる、老いる、みとる、それがいつしか、学校は学校、公民館は公民館、病人は病院、葬式は葬儀屋と、それぞれが独立し、人の出生から亡くなるまでの一連の死生観を生活の中で学ぶことがなくなってしまったことにあると。
小山市のアンケートでは、約半数の方が病院でなく自宅の畳の上で亡くなりたいと答えているのにもかかわらず、約80%の方が実際には病院で亡くなっています。在宅医療に関する先進地である愛知県津島市、国のモデル事業採択による在宅医療連携拠点事業の中でも、これからの課題であると、みとりについて、市民向けの冊子や研修会の開催など、みとりとは何か、エンディングノートやリビングウィルなど、本人だけでなく、それを支える家族の理解と覚悟が必要など、みとりの心構えの準備を促す事業が展開されています。どうなのでしょうか。在宅医療、在宅介護の延長線上にみとりがあるのでしょうか。それとも、みとりの心構えがあってこその在宅医療、在宅介護の実現があるのでしょうか。

そこで、質問します。
在宅医療、在宅介護について、現状と課題、あわせて表裏一体となるソフト面、みとりについての考え方を一括でお尋ねいたします。

◎大久保寿夫市長 ただいまの土方議員のご質問にお答えいたします。
高齢化が進む中、医療と介護を必要とする高齢者が住みなれた地域で、自分らしい暮らしを続けることができるよう、包括、継続的に在宅で療養ができる体制の構築及び家族の理解が重要となっております。平成28年3月に策定した小山市地域医療推進基本計画では、在宅医療に関する施設整備について目標を掲げておりますが、県が平成28年度に実施した意識調査によると、どこで最期を迎えたいかという質問に対し、小山市では約48%の方が自宅と回答しております。一方で、急変時などの不安を抱えている方が約70%と高く、実際に自宅で亡くなった方は18.6%と低い状況となっております。自宅で最期を希望しつつ、実際には病院で亡くなる方が多い原因の一つに、本人の意思が家族に伝わっていないことが考えられ、本人の望む最期を迎えるためには、事前に家族や介護スタッフと十分に話し合うことの必要性についての啓発が重要と感じております。
今後は小山地区医師会及び関係者と連携し、実施している在宅医療・介護連携推進事業において多職種研修会や住民向け講演会を開催し、意思決定の支援や共有について普及啓発に努めてまいりたいと考えています。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  市長答弁、ありがとうございました。ハード面の整備は予算と綿密な事業計画のもと達成することは可能かもしれません。しかし、みとりという失われた文化を取り戻すためには、5年、10年、それこそ何年かかるかわかりません。目に見える目標数値としてあらわすことのできない課題だからこそ、今からでも少しずつ、みとりとは何かの普及啓発に努めていただけますよう要望といたします。次の質問に移ります。

(2)いのち支える小山市自殺対策計画について

我が国の自殺者数は平成10年に急増して3万人を超え、小山市においても毎年約30人が自殺によって亡くなっております。このような中で、いのち支える小山市自殺対策計画、誰も自殺に追い込まれることのない小山市を目指しての策定にご尽力いただきましたこと、心から感謝いたします。
自殺を考えるきっかけは、人それぞれで、病気、離婚、多重債務、介護疲れ、失業、過労、ハラスメントなどなど。しかし、実際に自殺という行動を起こされる方々は、このような問題を幾重にも抱え、どれが原因なのか、特定することはできません。ただ、苦しい、消えてしまいたい、楽になりたい。そのうちこれらが、死にたい、から、死んでやる、死ななくてはいけないのだという決意に変わっていきます。腹を決めて自殺を覚悟してしまっている方は、とめられません。プロの精神科医でも助けられることは少ないそうです。だからこそ、まだ迷いのある、苦しいな、消えてしまいたいな、楽になりたいなという、その一歩手前の時点が一番大切です。悩みを打ち明けられる、心から安心できる人にめぐり会えるかどうかで思いとどまったり、その後の人生に大きな変化をもたらします。
私も以前から心理セラピストとして悩み相談を受けてまいりましたが、よく先輩からは、「自殺相談で一番気をつけなくてはいけないことは相談業務だよ。同調や同情はしない。正論は吐かない。自分の価値観を押しつけない。相手の呼吸のペースに合わせる。その他、言ってはいけない言葉など大変繊細で、高いスキルと知識が必要とされる業務なの。人の命の重さを考えたら当然よね」と指導されていました。これは生涯通して、ありとあらゆる心理学を勉強し精通していかなければ、一朝一夕には習得できるものではないなと、その難しさをかみしめた思いがあります。
それとは別に、もう一つ、ゲートキーパーがはらむ危険性があるものは、支援者であるゲートキーパー自身が鬱病になってしまうこと。特に責任感が強い方、一人で対処しようとする方、感情移入が激しい方、自分自身の心のメンテナンスを忘れてしまう方など、真面目で一生懸命な方ほど陥る傾向が高くなります。そのため、ゲートキーパーや相談員は、時間を決めて相談に乗る。役割分担をする。チームを組んで支援する。人の人生を背負わない。引き込まれない。家まで持ち帰らない。続けて2年以上相談員活動をしたら、6カ月は別の仕事に配置転換するか、休むなど、支援する側のケアを手厚く支援していかなければ、ゲートキーパーが自殺を考えるという負のスパイラルに陥ってしまいます。

そこで、質問です。
①ゲートキーパーについて、小山市が行っているゲートキーパー養成講習会はどのようなレベルのもので、どこまでを求められる人材育成プログラムになっているのか。また、何に重点を置いて教育指導しているのか。
②支援者のケアについて、どこまで考えられているのか。
一括して質問いたします。

◎新村利昭保健福祉部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
ゲートキーパーとは自殺の危険を示すサインに気づき、悩んでいる人に声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守ることができる人のことであります。自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、孤立、孤独を防ぎ、支援することが重要です。一人でも多くの方にゲートキーパーとしての意識を持っていただき、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが自殺対策につながるとの考えから、現在策定中の計画におきましても、重点施策の一つとしてゲートキーパー養成講習会を掲げております。全国の自治体でもそれぞれの地域の実情に合った形でのゲートキーパーの養成に取り組んでおり、小山市といたしましては、悩んでいる方の早期発見と適切な相談機関につなげていただけるまでを想定した講習会を行っております。
また、悩みを抱える方からの相談を受けている中で、ゲートキーパー自身が悩んだり、健康を害する可能性もございます。それを防ぐためにゲートキーパー養成講習会では、これまでも受講生に対してゲートキーパー自身の健康管理の大切さとゲートキーパー自身が悩んだときには、みずからが行政や相談機関へ相談することの重要性を伝えてきたところであります。今後のゲートキーパー養成講習会でも、支援者を守るという観点から、この点についてより一層力を入れてまいります。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。市としては、早期発見から相談機関につなげるまでの橋渡しとして、ゲートキーパーに期待されているとのことですが、もともとゲートキーパーになられるような方々は、人一倍責任感や使命感が強いタイプの方が多い傾向にあります。くれぐれも自分一人で抱え込まないように育成講習会の中で、ゲートキーパーとしてできることとできないこと、支援者のあり方など、具体的な指導、助言など細心の注意を払って普及啓発に取り組んでいただけるようにお願い申し上げます。次の質問に移ります。

(3)児童手当について

1.現況届について

次世代の社会を担う子供たちが健やかに成長するためにある児童手当、所得制限はありますが、3歳未満の児童を養育している者に一律1万5,000円、その後、中学校卒業まで1万円が支給され、市民の多くから、助かるわねとの声が聞こえてきます。
その使い道はさまざまですが、厚生労働省が平成24年に行った児童手当の使途、使い道に係る調査では、子供の教育費等に使う方が44.2%、子供の生活費が33.8%、子供に限定しない家庭の日常生活費が29.4%、子供の将来のための貯蓄、保険料が21.8%となっていました。実際にまちの声を聞いてみると、進学のための貯蓄に回している、習い事やお稽古に使っているなど、教育を子供の身につく財産、投資と考えている保護者の方々が多くいらっしゃいました。
その一方で、親元のすねをかじり、生活費は祖父母頼り、孫の学校にかかる費用のほか日常生活費まで面倒を見ている祖父母の相談も絶えません。そのような方々にお話を伺うと、娘、息子夫婦が幾ら稼いでいるのかも、何に幾ら使っているのかもわからない。孫から、親にノートや鉛筆を買ってもらえない、部活のシューズを買いたいけれども、何度言っても断られる、余りしつこく言うと怒られるから言えないなど、切実に孫から相談されると、どうしても買わざるを得ない状況なのだと相談されることもたびたびあります。

このように子供の親権者がいても、必ずしも実際の監護養育権者とは限らず、家庭内のことで見えづらい部分もあるかと思いますが、毎年6月の現況届、申請内容の事実確認はどのように行っているのかなど、少し詳しく現況届についてお聞かせください。

◎新村利昭保健福祉部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
児童手当は、家庭等における生活の安定及び次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的に行っている制度です。日本国内に住所を有する中学生までの児童を養育している方に対し、3歳未満は月額一律1万5,000円、3歳以上小学生は1万円で、第3子以降は1万5,000円、中学生については一律1万円を支給しております。児童を養育している方の所得が所得制限限度額以上の場合は、特例給付として月額一律5,000円を支給しております。児童手当を継続して受ける場合には、毎年6月に現況届の提出が必要になります。本年度につきましては、6月15日付で支給対象者約1万3,100名に現況届と返信用封筒を同封して送付いたしました。提出期限は6月30日までとし、原則受給者本人が届出書に必要事項を記入し、受給者、配偶者、対象児童の保険証の写し等を添付し、提出いただいております。中長期在留の外国籍の方は、直接お越しいただき、国内に居住していることを確認しております。現況届の審査は、受給者台帳と照合し、記載事項については公簿及び添付書類を確認し、10月、2月、6月に支給しております。
以上、よろしくお願いいたします

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。それでは、

2.保育料や学校給食費等、児童手当からの徴収について

お伺いします。義務教育中の学費や教科書代は無料ですが、学校に通えば、その他の支出も必ずあります。給食費、教材費、宿泊学習や修学旅行を初め文房具やリコーダー、靴下から運動着まで、数えたら幾つあるか数え切れません。さきの質問でもしたように、親の顔色をうかがって、必要品をそろえてもらえない子供もいます。祖父母が波風立てないように無理して立てかえている家庭もあります。また、頼れる祖父母がいない子供たちもいます。私は、以前からソーシャル・ネットワーク上で子供たちからの相談を受けてきましたが、残念ながら親に必要品を買ってもらえないがために夢を諦めたり、人生そのものを捨ててしまっている子にも出会います。児童手当という子供のための制度もあるのに、なぜ、どうしてと強い憤りを感じることすらあります。

そこで質問です。
児童手当からの徴収について、保育料や学校給食費等の等の中にはどこまで含まれ、何を想定しているのか。また、どこまでできるのか、お伺いします。

◎新村利昭保健福祉部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。
児童手当からの徴収につきましては、厚生労働省令の定めにより、学校給食費やその他学校教育に伴って必要な費用として学用品の購入に要する費用や放課後児童健全育成事業の利用に要する費用、その他義務教育諸学校、または幼稚園等の学校教育に伴う必要な費用が対象になっております。また、児童福祉法の規定により、徴収する保育料やその他類するものとして、子育て短期支援事業、一時預かり事業の利用料や延長保育料などが対象となっております。
当市においては、学校給食費、教材費、宿泊学習や修学旅行費、保育料について徴収しております。一方、個人で使用する文具、靴下、運動着等の費用については、個々に異なるため徴収することは困難であります。今後の特別徴収につきましては、貧困家庭や支援が必要な児童の健やかな成長に資するよう、教育委員会等関係部署と検討してまいります。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。どのようにすばらしい制度であっても、ほんの一握りの方々ですが、制度の趣旨、目的とは異なった使い道をする人がいらっしゃいます。その一握りの方々を戒めるために、その他大勢の利益が損なわれることがあってはならないと思います。しかし、その他大勢の利益が図れれば、一部の不心得者がいることは、とるに足らない問題だと片づけてしまうことも危険な思考です。誰のための何のための児童手当なのか。保護者の理解を図るとともに、関係各課の連携を密にし、目的に沿った活用がされるよう取り組んでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。次の質問に移ります。

Ⅱ.(1)コミュニティ・スクールについて

このテーマも昨日、山野井議員から質問がありましたが、私なりの視点でお聞きしたいので、よろしくお願いいたします。
子供たちを取り巻く環境や学校が抱える課題は年々複雑化、多様化しており、国が取り組む教育改革、地方創生の動向からも喫緊の課題となっている少子化問題と、それに伴う学校の統廃合なども踏まえ、さまざまな課題を解決するには学校と地域の連携、協働の重要性が指摘され、社会総がかりでの教育の実現が必要不可欠だと地域とともにある学校づくりをスローガンに掲げ、平成16年9月にコミュニティ・スクール制度がスタートしました。
コミュニティ・スクールの法的な大きな特徴は、その中に置かれる学校運営協議会にあります。この学校運営協議会とは、保護者、地域住民、教員等で構成され、学校運営の基本方針や予算を承認するほか、校長や教育委員会に意見をしたり、教員人事について都道府県教育委員会に意見具申できる権限が与えられていることです。
コミュニティ・スクールは、当初、保護者、地域住民、教員が対等の立場で学校運営に当たる英国の学校理事会制度をモデルにした仕組みでしたが、市民が学校現場を監視する制度であるとして、教育関係者の一部から強い反発が出たことや、保護者や地域住民からも大きな権限を持つ学校運営協議会には二の足を踏む声が上がるなど、国が推奨したモデル的コミュニティ・スクールはそのままでは受け入れられませんでした。英国式学校理事会制度は、理事長や学校長の理念に賛同した人たちの集まりである私立ではよく導入されていますが、さまざまな価値観の人々が集う公立では、当初の計画のコミュニティ・スクールの導入は難しく、現在は保護者や地域住民等による学校応援団的な組織として学校運営協議会を位置づけているところがほとんどを占めています。この学校応援団とは、学校における学習活動、安心安全確保、環境整備などについて、ボランティアとして協力、支援を行う保護者、地域住民による活動組織をいいます。登下校の見守り活動や学校行事への協力など、従来からの保護者や地域による学校支援ボランティアの活動です。
コミュニティ・スクールの設置意義というと、学校、家庭、地域での情報及び課題、目標、ビジョンの共有を行うことで、地域一体となって学校運営を支えていこうという側面にばかりフォーカスが当たり、運営協議会の委員に与えられた権限についての保護者、地域住民の理解が進まず、協議会を開催しても、承認対象となる教育課程の編成、組織編成、施設の管理、整備、予算執行に係る事項についての修正意見は出されることが余りなく、学校の方針がそのまま承認される実態や学校人事や学校運営に関する意見や議題も少ないことから、組織の形骸化が懸念されております。

このような課題を踏まえ、質問に移ります。
①小山市が考えるコミュニティ・スクールとは
②学校応援団との違いについて
どのようにお考えなのか一括で質問いたします。

◎酒井一行教育長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
小山市では、これまでに多くの学校で培われてきた地域が学校を支援するという素地を生かしながら、地域とともにある学校づくりを推進し、今年度4月現在、10校がコミュニティ・スクールとなっております。その根底にございますのは、地域とともに学校をよりよくしていく。また、学校とともに地域をよりよくしていくという、小山市が唱える、ともにつくる、つまり共創の教育の理念でございます。
次に、学校応援団との違いについてでございますが、各種のボランティア組織が学校を支援する機能だけではなく、学校協議会と学校運営協議会と学校地域支援本部との組織的な連携構築を重視してございます。こうした考え方により、各導入校におきましては、学校と地域が双方向につながりながら、互いの課題解決に向けた具体的な取り組みを実践されてきております。今後ともコミュニティ・スクールが形骸化することのないよう、学校運営協議会と学校地域支援本部の連携を重視した地域とともにある学校づくりを推進してまいります。
以上、よろしくお願いいたします

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。
再質問します。子供たちを取り巻く環境や問題の多くは、実は子供同士の問題よりも、保護者である親御さんが抱えている問題が大きく影響してきます。離婚や失業、自身の病気や親の介護など、それら環境の変化によって、今まで行えていたボランティア活動、自治会や育成会の活動ができなくなってしまった、学童やクラブ活動の車出しや送り迎えができなくなってしまったなど、さまざまな事情で孤立化してしまう家庭もあります。このような問題こそ、地域や学校、保護者や教員など一丸となってサポートしていくことが共創の教育なのではないのでしょうか。
地域の問題は地域、家庭の問題は家庭、学校は学校、学童は学童ではなく、子供を取り巻く諸問題を一つに考え、同じテーブルに上げる。その協議のテーブルを用意できるのも、さまざまな立場の人で構成される学校運営協議会であり、コミュニティ・スクール導入の利点だと私は思いますが、いかがお思いでしょうか。お伺いいたします

◎酒井一行教育長  ただいまの再質問にお答え申し上げます。
学校運営協議会では、保護者や地域住民が教育の当事者となること、学校運営や教育活動へ参画すること、学校と顔が見える関係となることで地域と学校が同じ目標に向かい相互補完できるようなことが利点の一つと考えられます。これは、小山市が進めております、ともにつくる教育、すなわち共創の教育の理念に通ずる部分がございます。学校生活や日常生活での子供を取り巻く諸問題の背景にはさまざまな要因がございます。学校運営協議会がさまざまな立場の人で構成されるという利点を生かしつつ、これまで同様に専門機関、関係諸機関等との連携をさらに強めながら、子供を取り巻く諸問題の解決を目指すことが必要であり、可能であると考えております。
なお、個人情報にかかわるような内容の協議につきましては、慎重に取り扱わなければならないため、十分に検討していくことも必要であると考えております。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。子供の世界には子供の世界があるように、大人の世界も大人の世界なりにいろいろあるのです。ぜひとも小山市ならではのコミュニティ・スクールのあり方について、他市のモデルになるような運営に取り組んでいただけるようお願い申し上げ、私の質問を終わりにします。ありがとうございました。