平成28年9月小山市議会定例会、一般質問を公開しました。

平成28年9月小山市議会定例会

 

平成28年9月小山市議会定例会 一般質問内容

●議席番号3番、おやま創生会の土方美代でございます。ただいま議長の許可を得ましたので、会派を代表して市政一般質問致します。その前に、この度の台風10号により被害を受けられた方々に対し、深くお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々に心よりご冥福をお祈りします。また、1日も早い復興を祈念しております。

それでは質問に移ります。
1、子育て支援について

まずはじめに、市長におかれましては5回目の当選誠におめでとうございます。持ち前のリーダーシップを発揮し、より良い小山市を築かれることを期待しております。
市長の公約、小山を創る第2章の4本の柱に、「子育て支援日本一」を掲げています。この質問は、すでに植村議員をはじめ、複数の議員から質問されていますが、私なりにもう一度頭を整理したいので、重複することをお詫びした上で質問させていただきます。

Q1.市長のイメージされている子育て支援日本一とは、どのようなものでしょうか?

◎大久保寿夫市長  皆さん、おはようございます。土方議員におかれましては、さきの市長選におきまして、格別なるご支援、ご協力いただきまして、ありがとうございました。これからも市民の負託に応え、小山の発展に全力を尽くしてまいりますので、引き続きご協力を賜りますようお願いいたします
さて、ただいまのご質問にお答え申し上げます。私は市長就任以来、子育て支援を市の重点施策と位置づけ、小山市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てに至る切れ目のない支援策に取り組んでおります。第1の支援策は、保護者の経済的負担の軽減策といたしまして、こども医療費の中学3年生までの無料化や同小学6年生までの現物給付、幼稚園入園料助成事業、ひとり親家庭保育料の軽減事業や、ひとり親家庭学童保育料の助成事業、妊産婦やひとり親家庭への医療費助成、不妊治療費や不育症治療費の助成、妊産婦健康診査、各種予防接種への助成を実施してまいりました。この経済的負担軽減を一層充実させるために、今年度から幼稚園や保育所の保育料を無料とする第3子以降保育料免除事業を実施するとともに、18歳までのこども医療費無料化や3歳未満の第2子保育料助成の実現に取り組んでまいります。
第2は、子育て環境の整備策といたしまして、増加する保育需要に対応するため、認定こども園の整備や民間保育園の新設、定員の拡大、市内62カ所の学童保育の充実に努めてまいりました。引き続き待機児童ゼロに向けまして、認定こども園を推進しますとともに、(仮称)東城南保育園の整備を推進してまいります。
第3は、在宅で子育てをされている世帯への支援策として、親子で気軽に交流や相談ができる子育て支援センターや子育て広場を開設してまいりました。5月1日にオープンいたしましたキッズランドおやまは、多くの親子連れでにぎわっており、引き続きその充実を図ってまいります。
以上のような総合的な推進体制の整備として、第4に、妊娠期から子育て期にわたる総合相談支援策についての拠点として、子育て世代包括支援センター「ネウボラ」の設置を目指し、切れ目のない支援を実施いたします。さらに、県内に先駆け策定いたしました小山市子どもの貧困撲滅5か年計画に基づく、総合的な取り組みを着実に推進し、子供たちの将来が、その生まれ育った環境に左右されることのないよう、子供の貧困撲滅に取り組んでおります。これらの子育ての支援の充実拡大によりまして、平成25年の高齢化対応度日本一に続き、子育て支援日本一を目指すことにより、子供を安心して産み育てやすいまち、全ての子供たちが夢と希望を持って成長していけるまち小山市を実現してまいります。
以上、よろしくお願いします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。是非とも実現して頂きたいと思います。

次の質問に移ります。
一番子供を育てるうえで心配なのは、急な病気です。
子どもは具合が悪くなると、ぐずったり、ぐったりするだけで、正確に症状を表現できません。「お腹が痛いの?」「うん」「気持ちが悪いの?」「うん」何を聞いても、「うん」か「泣くだけ」。正直、どうしていいのか分からずに、こっちまで泣きたくなる時があります。
また、子どもの発熱は夕方以降に多く見受けられます。朝から熱があれば保育園を休ませ、自分も勤め先に休ませてもらうように連絡を入れ、病院に連れて行くなど準備も予定も経ちます。ですが、帰宅後、さっきまで元気だったはずが、急に静かになったと思った途端、熱が出始め、夜になって熱がどんどん上がってくると、どうしたものか・・・と悩みます。
診療時間外なので、とりあえず手持ちの解熱剤を飲ませて様子を見て、どうしようもなくなったら救急で連れて行こうと考えます。
そんなとき、病院に連れて行った方がいいのかどうか?今、自分にできることは無いのか?を相談したくて、小山市が始めた「子育てナビ」からとちぎ子供救急電話相談に記載されている#8000に電話をかけたらダイヤル回線のため使えませんでした。看護師に繋がる電話相談にかけてみると、症状を聞かれますが、子どもは正確に症状を説明できないが為に、母親から見た範囲での症状でしか答えられず、たぶん・・・気持ちが悪いのかな?とか、きっと・・・おなかが痛いはず?という推測でしか話せず、伝えられないもどかしさにイラつきます。そのあと、どうしても心配でしたら小山新市民病院を紹介しますと言われ、電話をしてみると、小児科の当番医がいないので自治医科大学に行ってくれと言われ、正直、途方にくれました。夜中に車だしを頼める人がいないか?泣き止まない子どもを抱え、頭の中はパニック状態です。

Q2.そこで質問です。
こども119番のような、もっとわかりやすく、24時間安心して相談できる救急相談窓口や市内で(ポイントは市内で!)診療してくださる病院の確保はできませんか?大人なら、ある程度我慢させられますが、子どもでは我慢できるのかどうかも分かりませんから。

◎宮川ゆり子保健福祉部長  ただいまのご質問についてお答え申し上げます。
お子様が夜間急に発熱した場合など、保護者の方のご心配は大変なものと推察いたします。子供の急な病気やけがに対する夜間、休日の医療相談窓口として、栃木県では平成17年11月から、看護師が電話によりアドバイスを行う「とちぎ子ども救急電話相談♯8000番事業」を実施しております。現在小児救急をめぐっては、全国的に小児科医師の不足により、受け入れ態勢の整備・充実が課題の一つであると指摘されており、事前の相談体制を充実させることは、保護者の方の不安解消はもちろん、適切な医療サービスの提供にもつながり、大変有効であります。このため、県においては平成26年12月から相談時間を延長し、利便性の向上を図るなど、相談体制の充実に努めているとのことです。
また、夜間や休日の初期救急医療体制として、小山市では、小山広域保健衛生組合が運営する夜間休日急患診療所や、小山地区内の医療機関が交代で診療を行う在宅当番医制度を実施しており、まずはこちらの医療機関での受診をお願いしております。
一方、初期救急では、小児科医の不在により、小児の救急患者を取り扱えないケース等もあり、これらの医療機関で診療が困難な場合、2次救急として、休日の昼間は新小山市民病院、毎日の夜間は自治医科大学附属病院で対応する体制がとられております。早急に小児科医師を増加させることは非常に困難ですが、今後とも医療機関と連携協力し、小児救急医療体制の充実に努めるとともに、子育て世帯に対し、適切な医療サービスが受けられるよう、市ホームページや開運子育てナビ、健康のしおり等、啓発内容の改善を図り、わかりやすい救急医療のPRに努めてまいります。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。市では、夜間休日急患診療所や在宅当番医制度を実施しているとの答弁でしたが、現実には大人の患者は診てくれますが、子どもの患者は診てくれるお医者様がいないのが実態。

全国的に見ても、小児科医が不足しているのは存じ上げています。そこで1つ先進的な取組みをご紹介させていただきます。
テレビ電話や動画を使って小児科医が子どもの様子を観察する「小児科オンライン」というものがあります。
LINEやFacebook・Googleハングアウト・Skype等、好きな方法で小児科オンラインに予約を取ると小児科医からLINE IDや番号が送られてき、その番号にアクセスします。
そうすると、テレビ電話などを使って、子どもの症状(子どもの全身・呼吸・皮膚などの状態を小児科医が観察し、「その状態であれば、朝になってから病院を受診すれば大丈夫ですよ」「おうちにある熱さましを使って下さい」など一歩踏み込んだアドバイスを受けることが出来ます。
この様な遠隔医療は2015年8月にできるようになりましたが、「小児科オンライン」では現在小児科医11名で1回15分。月額980円の実費がかかります。将来的には自治体などと協力しながら、無償提供を実現していきたいと考えているそうです。
小児科医が全国的に少ないのは誰もが知っています。ですが、現代はインターネットの時代で、どこにいても誰とでも繋がることができます。ここにいなくても、どこかにいるなら、その方とネットでネットワークを構築すればいいのです。

是非とも小山市でも、この様なネットワーク作りに参加していただきたく私からの要望とし次の質問に移ります。

子どもを育てるうえで次に問題となるのが、37.5℃の壁です。「37.5℃」は子どもを保育園に預けて働く共働き夫婦にとっては、馴染みのある数字です。通常は健康な子供が通う場所。だから、子供の体温が微熱と呼ばれる37.5℃のボーダーラインを越えると、保育園は子供を預かってくれません。預けた後に発熱してしまったら、親はたとえ仕事中でも子供を迎えに行かなくてはいけなくなります。保育園で預かれない理由は、「他の子供への感染防止」と「保育園のリスクマネジメント」であり、法律で決められているわけではありません。この問題に対処するべく、小山市では病児・病後保育事業を行っております。病気の為、幼稚園や保育園で預かってもらえない子どもを、決められた場所で、看護師や保育士さんがかわりに一時預かりをしてくださるのですが、利用するためには、事前登録と予約が必要です。

Q3.そこで質問です。
病児・病後児保育事業。現在、事前登録されている方は何人いらっしゃいますか?併せて利用者数をお尋ねします。

◎宮川ゆり子保健福祉部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
病児・病後児保育事業の平成28年8月1日現在の登録者は、632名となっております。また、平成27年度の利用者は、実施施設3カ所の合計で、延べ348名となっております。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。人って、困ったものですよね。いくら支援制度があっても、いつか・きっと必要となるであろう情報は聞き流し、必要になってから、必要な情報を必要な分だけ欲しいのです。いつか病気になることを想定して、その時の為に登録しておこうという方が全体の何%いるのか?小山市民、約16万6000人強、小学校6年生以下が18644人も子どもがいるのに、登録者数632名、子ども数でみると全体の3.39%しか登録していない。そのうち利用者数348名。これは1.87%しか利用していない。この数値は、市民が制度の存在を知らないか、又は、利用しづらいかのどちらかだと思うのですが・・・。

そこで再質問です。急な飛び込み利用は不可能ですか?

 

◎宮川ゆり子保健福祉部長  ただいまの再質問にお答え申し上げます。
病児・病後児保育事業登録者は、年度当初に在籍している保育園を通しまして、利用の可能性のある方には事前に登録していただくようご案内しているところです。登録者には、お子さんのこれまでの病歴や予防接種の状況及びアレルギーの有無など、お子さんをお預かりするために必要な情報を記載していただいております。
ご質問の、事前の登録がなく急な利用の場合は、登録書を利用時に実施施設へ直接提出していただくことにより、利用していただくことができますが、利用するまでには登録書とともにかかりつけ医からの連絡票が必要となります。連絡票は診断名と治療内容及び保育利用に際しての注意事項を記載した病気に関する診療情報でありまして、命を預かる立場から欠かせないものと考えておりますので、その点をご理解いただきたいと思います。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。ひとりでも多くの人に利用していただくために、市立保育園・私立幼稚園などに登録を促していただければ幸いです。

次の質問に移ります。
ここで、もう一つ37.5℃の壁には問題があります。保育園から呼び出しを受けた時、すぐに迎えに行けない場合はどうするのか?ということです。共働きで、勤務先が遠方の場合。急な出張。外回りで遠くの顧客回りをしているとき。どうしても抜け出せない会議がある時。様々な理由がありますが、保育園からは、御親族の方でもいいので、代わりに迎えに来てくださいと頼まれます。そもそも迎えに行ってくれるような親族がいるならば、はじめからその人に看病してもらい病児病後児保育は利用しません。
いないから困っているのです。仕事を一旦抜け出せれば幸いですが、それも何回もすれば、現実はクビになります。女性の社会進出や活躍には、まだまだ課題が山積しています。

Q4.そこで質問です。
子育てで一番頭を悩ませるのはこの37.5℃の壁です。保育園に代わりに迎えに行って病児病後児保育所に送ってくれる送迎サービスはできませんか。

◎宮川ゆり子保健福祉部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
小山市では、城山・サクラ・コモンビル2階に開設しました子育て支援総合センター内に、ファミリーサポートセンターを設置し、会員相互による育児の援助活動を行っております。同センターでは、子育てについて援助を行おうとする提供会員と、援助を必要とする保護者が依頼会員として登録し、低料金で送迎や放課後等の一時預かりなどを実施しており、病気になられたお子様の場合、保護者の方による医療機関受診後、保育施設や医療機関から、病児・病後児保育施設までの送迎を行うことはできます。
育児援助のご利用に当たりましては、事前に会員登録をしていただき、提供会員と依頼会員による事前打ち合わせを行った上で、実際にお子様の送迎サービスなどを実施しておりますので、お子様の急な発熱等の場合を想定して、事前に同センターにご相談をいただきたいと思います。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。相談してくれれば送迎も可能ということですが、日常生活においても、仕事を抱えている保護者にとって一番大変なのは送り迎えです。学校・病院・学童・塾・習い事・その他。それぐらいのこと、親なら当たり前でしょ!と思われる方もいらっしゃるかとおもいますが、今は当たり前のことを当たり前に行うことが困難な時代になってしまいました。祖父母と同居しているわけではない・家にいたくても共働きでないと生活できない・永久就職という言葉がなくなり、非正規雇用が増えた今では、子どもの為の早退や欠勤は契約更新を妨げる恐怖感しかない時代です。是非とも市民のニーズ、実情を把握し、サービス向上に努めていただければ幸いです。

次の質問に移ります。
Q5.病児・病後児保育事業。誰でも具合が悪い時は情緒不安定です。子供ならなおさらのこと。はじめて行く知らない施設より、自宅の方が安心するのは当然のことです。そこで、在宅病児保育サービスについては、どのようにお考えですか?お尋ねします。

宮川ゆり子保健福祉部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
在宅での病児保育サービスにつきましては、さきに答弁しましたファミリーサポートセンターにおける病児・緊急対応強化事業により、急性期及び流行性の病気でない病児・病後児を一時的にお預かりすることができます。このサービスにつきましては、原則としまして、提供会員の自宅でお預かりすることになりますが、特別な事情があり、依頼会員が望まれる場合には、依頼会員の自宅でお預かりすることも可能でございます。また、ご利用に当たりましては、事前の会員登録のほか、原則として提供会員との事前打ち合わせや医療機関への受診が必要となりますので、余裕を持って同センターに登録や相談されることをお勧めいたします。
小山市では、これらサービスにつきまして、今後ともより一層の周知に努め、子育て世代の負担軽減を図ってまいります。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。こちらも相談していただければ、自宅での預かりも可能とのこと。あまり需要が無いように受け止めていらっしゃるようですが、民間では新規のNPO法人を立ち上げ、在宅病児保育サービスを始められる方々が多くいらっしゃいます。

需要が無ければ民間は商いとして始めません。何故民間が動き始めたのか?
それは、病児保育の施設が少なすぎるからです。保育園全体が全国に23400ヶ所あるのに対して、わずか3.6%の850ヶ所しかないのです。もう少し、市民のニーズのリサーチの方法を工夫していただけたら幸いです。

それぞれが独立した事業ではなく、点と点を繋ぐ線の事業、そしてさらに幅をもたした面の事業をよろしくお願いいたします。また、この大項目の質問に関しましては、同会派の苅部議員から関連質問がありますので、よろしくお願いいたします。

次の質問に移ります。
2、事業主行動計画について

女性活躍推進法。10年間の時限立法ではありますが、今年4月から、従業員300人超の組織に女性活躍に関する状況を把握し、行動計画を策定することが義務付けられました。300人以下の組織は、努力義務となりますが、最大のポイントは、「情報公開」の義務があることです。また、従業員300人超の企業のみならず、国や自治体、学校、病院などあらゆる組織に公表が義務付けられたことにより、社会全体の「底上げ」につながると云われています。
とはいえ、新法の受け止め方には、企業によって温度差があります。大企業か中小企業か、女性活躍推進に積極的な企業か否かで対応も違ってきます。
政府は202030を掲げ、2020年までに女性管理職比率を30%に引き上げようとしていますが、業種によっては女性が3割もいない会社(建設業や運送業など)、そもそもパイが初めからない会社など、現実的に無理がある企業もあり、実態を伴わない数値目標に意味があるのか?作成に取り掛かっている担当者たちは頭を抱えています。
大切なのは、202030を実現させるために何ができるのか?これから何をやるべきなのか?を課題に無理な数値目標に囚われず、企業の意識改革を促すことが重要だと考えます。

Q1.質問です。
小山市の特定事業主行動計画について、どのような内容かお尋ねします。

◎片柳理光総務部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
小山市では、本年3月に平成28年度から平成31年度までの4年間を計画期間とする小山市職員女性活躍推進計画を策定し、項目ごとの目標値の実現に向け取り組んでおります。内容につきましては、女性の登用に関するものとして、管理監督職に占める女性職員の割合を30%以上、採用に関するものとして、採用試験からの採用者に占める女性の割合を40%以上、女性消防士の総人数を6人以上、仕事と家庭の両立に関するものとして、育児休業を取得する男性職員の割合を10%以上、男性職員の配偶者出産休暇及び育児参加のための休暇についての1人当たりの平均取得日数を、合計5日以上とするものであり、これらの目標値は本市の実情に合わせた実現可能な数値目標としております。
その中でも一番に力を入れている取り組みは、管理監督職に占める女性職員の割合を30%以上にすることであります。これまで女性職員の交流会である小山市女性職員開運塾を通して、女性管理職を身近に感じさせ、管理職となることへの不安を取り除くことや、女性職員を国の機関、国際文化アカデミー、自治大学校などへ派遣して研修を実施することなどに取り組んだ結果、平成12年度に8.0%の割合が、平成28年4月1日現在では27.7%と、19.7ポイントの増加となりました。今後も女性職員のキャリアアップを図りながら、目標値達成に向け、なお一層の努力をしてまいります。
この計画の普及啓発については、市及び近隣大学での職員採用説明会において、本市が平成25年度に政令市を除く全国10万人以上の都市を対象とした女性活用度調査において11位となり、女性の登用や採用について積極的に取り組んでいることをPRしたり、消防職員向けの採用説明会において、消防本部施設内の女性専用スペースの見学を行ったり、管理監督職員や子育て中の男性職員に対して、男性職員の育児休業、その他休暇の取得についての理解を深めるための研修会などを実施したりしております。なお、ホームページにおいて、この計画や目標値の達成度合いの公表をしております。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございました。国は、社会全体の「意識の底上げ」に繋がるように、モデルとなる姿勢を行政が示すことが重要と考えて制度を構築しましたが、日本全国、金太郎飴みたいな、同じような計画を作成して本当にモデルになるのか疑問です。きっと行政は目標達成できると思いますが、民間企業は果たしてどうなでしょうか?

Q2.それではもう1つ質問です。
県内の企業数の内訳は、平成28年4月時点で総数63615社、大企業が99社0.2%。中小企業が63516社99.8%内87.6%の55713社が従業員数20人以下の小規模企業です。個人経営に近い法人では、自社の定款や就業規則すら読んだことがない(決算書関係は税理士さん、就業規則や36協定は社労士さん)に頼んであるから私は分からないよ!という社長さんも多く見受けられます。そのような中、努力義務とはいえ事業主行動計画の作成を呼びかけたところで、本来の女性活躍推進法や男女共同参画の立法趣旨の理解よりも、単に公共事業への入札時に加点されるから、又は、助成金を申請するために作っておいた方がいいかな?というレベル。今までと同じく専門家に作成依頼をし「作っただけで書庫の中」、意識改革には程遠く感じるのですが、この行動計画をより実態の伴うものにするために小山市はどのような指導を考えているのでしょうか?

◎片柳理光総務部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
小山市では、平成13年6月に県内の市町村に先駆けて、男女共同参画都市宣言を行い、本年度15周年を迎えました。平成16年には、男女共同参画推進条例を制定し、平成28年3月には、国の女性活躍推進法に基づく市町村推進計画を盛り込んだ小山市男女共同参画基本計画を策定したところでございます。
現在の取り組みとしましては、男女間の格差解消に向けた企業のポジティブアクションの推進のため、男女ともに働きやすい環境づくりを積極的に取り組んでいる事業所を認定する小山市ワークライフバランス推進事業者認定制度の推進、自分自身の望む生き方の気づきを支援するキャリアデザイン講座やトップセミナーを実施しております。
さらに、県が進めております企業、団体、行政が一体となり、働き方改革や女性の活躍をさまざまな角度から支援するとちぎ女性活躍応援団に県内一番で登録申請を行いました。小山市としましても、県と連動し、市関係部署とともに、商業、工業、農業ほか関係団体を通して、市民への意識改革を働きかけ、小山市全体の機運の醸成を図るよう積極的に努めてまいります。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  このような質問を投げかけると、どうしても「セミナーやシンポジウムを何回開催しました」とか、リーフレットを何枚印刷して、何枚配布しましたという回答が返ってくるのですが、本当にそれが意識改革に繋がるのでしょうか?

確かに数値が合ったほうが説明もしやすく、実績としてカウントしやすいと思いますが、人の意識は目に見えないものです。数値が欲しいわけではなく、少しでもいい、ゆっくりでも確実に制度が浸透してきたなという実感が欲しいのです。是非とも、各種団体に行政の側からアプローチしていっていただきたく要望とします

次の質問に移ります。
3、ペットの取り扱いについて

核家族化がすすみ、今や「遠くの親戚より近くのペット」と言われるほど、人々の生活の中にペットが寄り添い、安心感を与えています。
ペットとは、もう、ただの犬猫ではなく、家族の一員であり、心の支えであり、自分の子供のような、何物にも代えがたい愛おしい存在なのです。
アニマルセラピーという言葉も浸透してきましたが、高齢者がペットを飼うことによって病気の進行を遅らせたり、生きがいを見つけたり、又、散歩の為、外に出るきっかけづくりになり引きこもり防止・予防にも一役を担っています。また、動物を飼っている人は飼っていない人より年間20%前後、年間病院にかかる回数が減った等、ドイツでは7500億円、オーストラリアでは3000億円の医療費の抑制につながったなど数多くの効果が報告されています。
我が国におかれましても、動物愛護法が施行され、どのように共存していくべきか明記されています。この度の動物愛護法の改正により、動物の飼い主は、その動物が命を終えるまで適切に飼養する「終生飼養」の責任があることが法律上明確にされました。
命あるもの必ずお迎えが来ます。最愛の家族を亡くし、悲しみにうちひしがれているとき、この子をどうやって弔ってあげられるかが問題となります。

Q1.質問です。
最愛のペットが亡くなった時、市に問い合わせてみると、小山市HPでは犬猫苦情・相談に

死んでしまった(死体の処理)→可燃ごみとして収集所に出すか、中央清掃センターに直接持ち込んでください(可燃ごみ扱いですよ!可燃ごみ!)
と書かれています。あまりの心無い文章に、涙が出ます。ペットは家族の一員と思われている方も大勢します。
もう少し心情に配慮した表現ができないものですか?お尋ねします。

◎飯島和子市民生活部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
これまで小山市のホームページでは、飼っていた犬や猫が死んでしまった場合、死体の処理方法として、可燃ごみとして収集所に出すか、中央清掃センターに直接持ち込んでいただくようご案内しておりましたが、それに抵抗がある飼い主の方や、埋葬及び供養したいとお考えの飼い主の方の心情にも配慮させていただき、1つ目といたしまして、個人の敷地に埋める。2つ目といたしまして、火葬、ペット霊園を利用する。民間業者へお問い合わせいただく。3つ目といたしまして、中央清掃センターに直接持ち込んでいただくというように変更させていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。言葉一つで救われることもあれば、傷つくこともあります。どうか、人の心に寄り添った広報に努めていただけたら幸いです。

再質問:最愛のペットが亡くなった場合、さいたま市や三島市など他市町では、1000円~3000円の料金で火葬をしてくれます。各自治体によって、個別火葬や遺骨の返却に応じるなどのサービスなどもあります。今後小山市ではペットの火葬についてどのように取り扱っていくのかお尋ねします。

◎飯島和子市民生活部長  ただいまの再質問にお答え申し上げます。
小山市の火葬業務につきましては、小山広域保健衛生組合が所管しておりますが、ペットの火葬につきましては、小山聖苑には動物専用の火葬炉がないことから、小山聖苑で新たに動物専用の火葬炉を整備するか、人と同じ火葬炉を使用して火葬を行うことのいずれかになると考えます。しかし、いずれかの方法でペットの火葬ができるようにするためには、市民の皆様のご理解を得ることが必要であり、小山聖苑でのペットの火葬は困難であると思われます。
なお、環境課にお問い合わせをいただきますと、飼い主の方々にペット霊園業者等の民間の事業者をご案内させていただいております。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。残念ながら、小山市ではペットの火葬は困難であり、ペット霊園業者等への紹介にとどまるとのこと。「ペットの火葬」について出来ない理由ではなく、できる根拠を探していただきたく要望とします。

次の質問に移ります。
4、知的資産経営推進事業について

経済の活性化のお話になるとどうしても経団連のような大きな企業のニュースばかりが取り上げられますが、私は地域の中小企業の活性化こそが、全体の底上げに結びついていくのではないかと考えます。しかし、超高齢化社会を迎え、若い人たちが都内に向い、後継ぎがいないという、新たな事業承継の問題が深刻化してきました。
なぜ後を継がないのか?20代の若者たちにアンケートをとった結果。1位が「親の会社に魅力を感じない」2位が「今後の先行きが見えない」3位が「ハイリスク・ハイリターンの社長の肩書より安定した収入と生活」という意見が多く聞かれました。
この1位となった「親の会社に魅力を感じない」とは、後継ぎ候補者だけが思っていることではなく、社長自身も自社の魅力に気づいていないケースが沢山あります。
何故、お子さんに継がせたいのですか?と尋ねると、祖父の時代から受け継いできたから自分の代で終わらせるわけにはいかない!とか、折角会社があるのだから、もったいない!とか、なんとか食べてはいけるのだからなどなど。これでは、跡継ぎが魅力を感じなくても仕方がありません。
そこで10年前から注目を集めているのが知的資産経営です。
まず、「知的資産」とは、決算所に表れない、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の目に見えない資産のことで、企業の競争力の源泉となるものです。
これは、特許や著作権・商標登録などの目に見える「知的財産」だけではなく、人材、ノウハウ、ネットワークなどの目に見えない企業の強みとなる「すべての資産」を総称する幅広い考え方です。
栃木県民は自分や自社を売り込むプレゼン下手だという統計も出ています。まずは、自分の会社の強みとは何なのか?社長自身が認識し、決算書や知的財産だけでは分からない、本当の意味での「企業の力」を目に見える形で報告書を作成(これを知的資産経営報告書といいますが)それをもって他者に売り込む。
また、融資や助成金交付の判断をする側である自治体や金融機関も、決算書や事業計画書だけでは分からない、本当の意味での企業の体力をしっかりと見定めたうえで助成金や融資の交付決定をするべきではないのでしょうか?

Q1.そこで質問です。
すでに京都府では条例を改正し、知的資産経営を推進。また、助成金交付申請の際には知的資産経営報告書の作成・添付や、優良事例は、モデル企業表彰や低利融資適用など様々な利点・特典が用意されています。小山市が考える知的資産推進事業とはどのようなものでしょうか?

◎安田好利経済部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
知的資産経営は、財務諸表にはあらわれにくい人材、技術力、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の経営資源についての強みを企業みずからが認識し、それを有効活用していくことによって、収益につなげていくという経営手法であり、平成17年に経済産業省が提唱し、主に西日本を中心に広まってきたものでございます。
知的資産経営は、目に見えにくい企業の強みを見える化することによって、企業の社会的信頼や価値を高めることができ、金融機関や公的融資において有利であることや、社員が自社の将来的価値を認識して、士気の向上や優秀な人材の確保につながるなど、企業の経営改善等には非常に有効であると考えております。
一方、県内の中小企業や金融機関等においては、知的資産経営についての認知度が低く、普及が十分に進んでいない状況にあることから、セミナーや講習会の開催、啓発活動等を実施するとともに、関係機関や商工団体等と連携して、本制度の有効な活用について検討してまいりたいと考えております。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。まずは、市民に知っていただき、次に活かしていただく。情報発信とわかりやすい説明をお願い致します。次の質問に移ります。この知的資産経営報告書は円滑な事業承継にも活用できます。

Q2.そこで質問です。
円滑な事業承継を促すためには、先ほど説明したように、まずは自社の魅力を社長自身に十分に理解していただき、その魅力を社員全員が共有し、モチベーションを上げ、他社や他県に発信していくプレゼン力を高める。そのことにより、後継ぎが不安に思っている安定性や、将来性も明確になり、親の会社に対する見方も変わってくると思われます。小山市が考える地域の活性化には、円滑な事業承継が欠かせないはずです。どのような工夫をなさっているのかお尋ねします。

◎安田好利経済部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
小山市では、これまで多くの中小企業が地元商工の振興を支え、地域経済の発展のために貢献をされてまいりましたが、今後も地元商工の振興と地域経済の活性化を図るためには、市内の中小企業経営者が円滑に事業承継を図れるよう支援することが必要と考えております。小山市では市内各商工団体との連携協力により、市内の中小企業経営者を対象に、毎年事業承継に関するセミナーを1回、専門家による個別相談会を6回開催し、事業承継の啓発と支援に取り組んでおり、本年4月からは県と県内市町、商工団体、金融機関等の県内各支援機関が、オール栃木で県内中小企業に対する支援策の検討、実施を行うとちぎ地域企業応援ネットワークに参加し、県内各支援機関との連携強化を進めております。今後も市内の中小企業経営者が円滑に事業承継を進められるよう支援を進めてまいります。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。県内各支援機関との連携強化を期待しております。

次の質問に移ります。
5、苦情・クレーム等総合窓口について

Q1.昨年、平成27年第5回定例会において、私から質問させていただきました「苦情・クレーム総合窓口の開設について」ですが現在の進捗状況をお聞かせください。

◎片柳理光総務部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。
総合窓口の設置状況につきまして、他市の先行事例を調べましたところ、県内では宇都宮市と鹿沼市が市民相談窓口の設置を公表しております。宇都宮市では、広報広聴課勤務の経験者2名を再任用職員として雇用し、昨年度の実績は電話と窓口対応合わせて約1,300件ということです。鹿沼市では、広聴担当の職員が担当し、昨年度の実績は電話と窓口対応合わせまして67件で、その半分以上は相談後に再度担当課に戻し、担当課が対応したとのことでございます。また、専門相談員の配置につきましては行っておらず、今後も予定はないと聞いております。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。場所の確保等まだまだ課題があるようですが、弁護士さんや担当窓口での対応は物理的な問題解決に焦点を当てられていると思われます。苦情・クレーム総合窓口は「心のわだかまり・心の和解」に着眼し、新たな紛争を予防するもの。
設置趣旨が違いますので、是非とも前向きに取り組んでいただけるよう要望と致します。

Q2.ADR(裁判外紛争解決手続き)の調査研究の進捗状況について

◎片柳理光総務部長  ただいまの答弁の前に、先ほど宇都宮市の件数につきまして、「1,300件」というふうに答弁申し上げましたが、「2,300件」の誤りでございます。訂正をお願いいたします。
それでは、ただいまのご質問にお答え申し上げます。ADRの調査研究の進捗状況でございますが、現在についてはまだ行っておりませんが、相談業務を担当している職員を初め、市職員の窓口対応のスキルアップの充実が図られるよう、ADRの調査研究を今後進めるとともに、ADR機関の研修等への定期的な受講につきましても検討してまいりたいと考えております。
以上、よろしくお願いいたします。

●3番(土方美代議員)  ありがとうございます。人は話し合うことでしか分かり合えません。紛争が起こったとき、相手の言い分を租借し、納得するためには、何故こちら側が譲歩しなければならないのか納得したときに納得するのです。そのためのスキルは法律的知識ではなく、心理学やコミュニケーションスキルといったものです。是非とも今後も継続的に調査研究を続けていただきたく私からの要望とし、質問を終らせていただきます。つづけて関連質問がありますので、交代させていただきます。